2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

津田道子《生活の条件》《カメラさん、こんにちは》(2024)

東京都現代美術館で「Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展」をみてきた。サエボーグと津田道子の展示である。 どちらも興味深くみたのだが、津田道子の展示は四つの作品からなり、とくに《生活の条件》(2024)と《カメラさん、こんにちは》(2…

ラウラ・ルケッティ/チェーザレ・パヴェーゼ『美しい夏』

イタリア映画祭でラウラ・ルケッティ『美しい夏』(2023)を見てきた。 原作はチェーザレ・パヴェーゼの同名小説。刊行されたのは1949年だが、第二次大戦中の40年頃に書かれた。当初の題名は『カーテン』だったという。 パヴェーゼの映画化というとストローブ…

「古橋悌二の新しい人生ーーLIFE WITH VIRUS」

部屋を掃除していたら昔のノートに挟まっていた、「古橋悌二の新しい人生ーーLIFE WITH VIRUS HIV感染発表を祝って」のコピーが出てきた。 これは『S/N』の上映会で配られたもの。2016年10月8日(土)学習院大学。当時読んで感銘を受けそのままノートに挟ん…

山本浩貴(いぬのせなか座)『新たな距離』その2

山本浩貴(いぬのせなか座)『新たな距離』の続き。 jisuinigate.hatenablog.com 言葉が書かれ、書き直されるたびに、新たな「私」と「宇宙」が創発する。その速度と密度が高まるにつれ、小説を書くことと、〈私〉を制作することは等しくなる。小説を書き直…